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【ペンギン・ハイウェイ】映画の感想|街に現れた謎のペンギン。ひと夏の不思議な冒険

ペンギン・ハイウェイ
総合評価

第42回日本アカデミー賞・優秀アニメーション作品賞の「ペンギン・ハイウェイ」のあらすじ、感想です。

映画館で予告を観た時に「なんだか不思議な映画だな…」と印象に残りました。少年時代、夏休み、冒険…といったわかりやすいキーワードに加えて、ペンギン。……なぜ、ペンギン?!さらに、原作は森見登美彦だと知って興味がアップ。いつか観たいと思っていたので、BSで放送すると知り、迷わず鑑賞することにしました。

  1. ひと夏の冒険。ノスタルジーあふれる映像
  2. リアルと非現実の融合が生み出す、不思議な世界

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ペンギン・ハイウェイ 基本情報

原作 小説 「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦
監督 石田祐康
出演者 (声の出演)北香那、蒼井優、西島秀俊
公開時期 2018年
ジャンル ファンタジー

ペンギン・ハイウェイ あらすじ

小学四年生のアオヤマ君は、気づいたことや研究したことを毎日ノートに書き、世界について日々学んでいる。頭がよく、論理的に物事を考え、かつ努力も怠らないアオヤマ君が今一番気になるのは、胸が大きくて優しい歯科医院のお姉さん。アオヤマ君は、お姉さんのことも、毎日一生懸命に研究していた。そんなある日、アオヤマ君の住む街の空き地に、突如ペンギンたちが現れる。ペンギンはどこから来たのか?なぜ現れたのか?アオヤマ君は謎を解くために、「ペンギン・ハイウェイ」と名付けた研究をスタートする。そんな中、お姉さんは不思議な方法で、アオヤマくんの目の前でペンギンを出してみせた。お姉さんは、ペンギン出現の謎に関わっているのか?そして同じ頃、街では他にも奇妙な現象がいくつも起きていた…。

ペンギン・ハイウェイ ツイッターの反応

ペンギン・ハイウェイ 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

主人公のアオヤマ君は、頭がよく大人びた少年。言動が子供っぽくないので、アオヤマ君目線で進む物語には、大人の私でもすんなり入っていけました。

最初の方は、ちょっと変わっているけど、子供らしいアオヤマ君が描かれます。友達のウチダ君と一緒に、街の水路につながる水源を探して、路地裏や森を探検。夏休みが近い街の雰囲気と、爽やかな音楽。心地よいノスタルジーを感じました。

ところがある日、街にペンギンが現れたことで、アオヤマ君を取り巻く世界は一変します。

観ている側にとっても、文字通り「一変」でした。現実の世界に、ペンギンという非現実要素が加わることで、物語は、まったく違う見え方になっていくのです。

ペンギンの謎を調査するアオヤマ君は、大好きなお姉さんが謎に深く関わっていること、街で他にも不思議な現象が起きていることに、気が付きます。

森の奥に現れた、巨大な水の球体”海”は、物体を吸い込んで、時空に歪みを生じさせる。さらに、存在するはずのない架空の生物が出現し、街にいるペンギンたちを襲う…。

普通の日常にちょっと不思議な出来事が起こって、そこからファンタジー展開…という映画はよくありますが、この「ペンギン・ハイウェイ」は「不思議」の分量が多く、かつ急激。

ペンギン、謎の球体、時空の裂け目…など、次々に起こる不思議な出来事の意味を考え出すと、さっぱりわからなくて、途中、ちょっと置いて行かれそうになりました。

でも、子供らしいまっすぐな探求心で謎に向き合い続けるアオヤマ君たちを見ていると、だんだん「難しく考えなくてもいいのかな…」という気持ちに。

さらに、「この映画では、リアルと非現実を区別することに、たぶん意味はない」と悟ったら、どんな出来事でも、受け止められるようになりました。

最後はアオヤマ君たちの研究と冒険によって、ある程度謎が解けて、ペンギンも、球体も街から消え去ります。

それでも結局、ペンギンや球体、お姉さん、時空の裂け目などの意味するところについて、はっきりとした説明はありませんでした。

この映画に賛否があるとしたら、この「説明のなさ」かもしれないと、個人的には思います。全ての謎に答えが欲しいと言う人には、たぶん向かない物語です。

私自身、観終わった今も、わからないことがたくさんあります。でも、約2時間、アオヤマ君たちと夏の冒険をした「後味」はなんだか悪くないのです。理屈というよりは、感性で受け止めるタイプの映画なんだろうなあ…と思います。
ちなみに、風景も物語も音楽も、全てが「涼しい」映画でもありました。鑑賞するなら、圧倒的に夏がおすすめです。

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