レビュー

【検察側の罪人】映画の感想|本当の正義とは?

検察側の罪人
総合評価

「検察側の罪人」のあらすじ、感想です。

映画の制作発表のニュースで興味を持ったのがきっかけ。劇場で流れた予告編で期待が高まり、公開とともに映画館へ。観る前は二人の検事が対立する物語と聞き、法廷ミステリーを想像していました。

  1. 結末が読めない予想外のストーリー展開
  2. 対立する二人の検事の正義。本当の正義はどちらなのか?
  3. 二宮和也演じる沖野の取り調べシーンに注目!

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検察側の罪人 基本情報

原作 小説「検察側の罪人」雫井脩介
監督 原田眞人
出演者 木村拓哉、二宮和也、吉高由里子、松重豊
公開時期 2018年
ジャンル サスペンス

検察側の罪人 あらすじ

蒲田で起きた老夫婦殺害事件。
研修を終えて東京地検に配属された若手検事・沖野は、尊敬する先輩検事・最上とともに捜査チームに加わる。強盗目的で夫婦を殺害したと思われる事件だったが、容疑者を取り調べていく中で、ある一人の男の名前が浮上する。

その容疑者の名は松倉重生。最上がまだ大学生で寮に入っていたころ、管理人の娘である女子高校生が殺害される事件が発生。その重要参考人だったのが松倉だ。その事件はすでに時効を迎えていたが、当時の松倉の容疑は限りなく黒に近かった。

そこで最上は、蒲田の事件で松倉を裁くために、沖野に徹底的な取り調べを指示する。自身の信じる「正義」を押し通そうとする最上に、沖野はしだいに疑問を抱き始める。

検察側の罪人 ツイッターの反応

検察側の罪人 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

この作品の見どころは、エリート検事・最上の予想外の行動から展開するストーリーです。木村拓哉が演じる先輩検事と、二宮和也が演じる若手検事は、どちらも爽やかでクリーンな印象。2人が協力して事件に立ち向かう前半は、よくある犯罪捜査ドラマかとも思わせます。

ところが、最上が己の信じる正義を貫くために取ったある行動から、様相が一変します。証拠をねつ造して、過去の事件の容疑者であった松倉を、犯人として裁く。検事としてあり得ない手段を取る最上に、観ていて唖然としてしまいました。そして最上は、ついに自ら殺人まで実行します。時効で逃げ切った卑劣な犯人を罰したい、という心情は理解できるものの、最上自身が犯罪者となったため、先の展開が全くわからなくなり、ここから更に面白くなっていきます。

若手検事の沖野が、容疑者の松倉をわざと挑発的に取り調べるシーンは、この映画のハイライトの一つ。最上の指示を受けて、恐ろしい怒鳴り声を張り上げ、松倉を罵倒する沖野。声の大きさと緊迫感は、思わず座席でビクっとなるほどの迫力でした。また、容疑者役の松倉を演じた酒向芳の怪演も必見です。「生理的な嫌悪感をあたえる非道な容疑者」というキャラクターを見事に演じています。

映画のラスト。最上の執念にも関わらず、松倉は冤罪が証明されます。でもその直後暴走車にはねられて死亡。最上は最後までその罪を問われません。個人的には最上は裁かれるべきだったと思うので、この結果にはやや納得できませんでした。でも正義の価値観は人それぞれなので、映画としてはこの結末もありだと思います。

それから沖野と、沖野の事務官である橘との恋愛関係が描かれますが、このストーリーには不要だったと思います。全体的に乾いた、硬質な雰囲気の映画なので、そのままドライな関係を貫いてほしかったです。

予想を覆すストーリーと、テンポの速さ、緊迫感のあるシーンを存分に楽しめる映画でした。情報量やセリフの量が多く、一度では理解できない部分もあるので「ぜひもう一度観たい」と思わされる映画でもあります。

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