レビュー

【ゴーン・ガール】映画の感想|サイコパスで夫婦論を語られても共感できない


ゴーン・ガール
総合評価

「ゴーン・ガール」のあらすじ、感想です。

公開当時、テレビ番組で「衝撃的展開」と紹介されていたのを覚えていました。

夫婦関係が題材のミステリー、妻が失踪して夫が探す展開、どちらもそれほど珍しくありません。

だから、一体何がどう衝撃的なのか?は、ずっと気になっていました。

重苦しい雰囲気かつR15指定なので、何が起きても大丈夫なように、心の準備をしてから鑑賞しました。

  1. 妻はなぜ姿を消したのか?予想外の真相
  2. 二転三転する物語と意外な結末

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ゴーン・ガール 基本情報

原題 GONE GIRL
原作 小説 「ゴーン・ガール」ギリアン・フリン
製作国 アメリカ合衆国
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演者 ベン・アフレック、ロザムンド・パイク
公開時期 2014年
ジャンル サスペンス

ゴーン・ガール あらすじ

結婚5周年の日に姿を消した妻・エイミー。夫のニックは行方を探すが、残された状況から、警察はニックが妻を殺したのではないかと疑う。

さらに、全米メディアはエイミーの失踪をセンセーショナルに報道。妻殺しの疑惑が世論となり、ニックは窮地に追い込まれていく。

ゴーン・ガール ツイッターの反応

ゴーン・ガール 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

独身の男女に向けて「結婚しないの?」「結婚はいいものだよ!」などとしつこく言う人々がいます。

価値観が多様化した現代では、そのような単純な”結婚礼賛”は賛同できないし、少なくとも好感は持てません。

しかし一方で、「結婚は地獄」「夫婦は恐ろしい」「女(男)は怖い」…などと、やたらと恐怖を煽る言説もまた、個人的には苦手です。

映画「ゴーン・ガール」は、まさに後者でした。

終始、「結婚(夫婦)とは、こんなにも恐ろしいものだ」というメッセージを耳元でささやかれているようで、観終わる頃には、ぐったりと疲れてしまいました。

本作が「衝撃的」と言われる理由の一つは、妻・エイミーの人間性でしょう。

失踪はエイミーの自作自演でした。しかも、完璧な計画で夫に妻殺しの罪を着せることが真の狙いです。

聡明な頭脳に加え、強い自己愛と高いプライドを持つエイミーは、夫を地獄に堕とすためなら手段を選びません。

エイミーがニックに向ける憎悪と復讐心は想像を超えていて、確かに衝撃的でした。

さらに、失踪の真相が明らかになって以降も先が読めず、白かと思えば黒、また白に反転…と言った具合に、二転三転するストーリーから目が離せなかったのも事実です。

でも、観ていてどうしても引っかかるところがありました。

それは、「結婚(夫婦)とはこんなにも恐ろしい」という風刺、メッセージ性の強さです。

正直、この映画で結婚や夫婦について何かを学べたとは思えません。理由は単純で、妻・エイミーが極端なサイコパスだったからです。

失踪計画が破綻したら、次の目的のために元交際相手を利用。用が済んだら彼を惨殺し、何食わぬ顔で夫の元へ戻る。エイミーはそういう女です。

ニックも決して夫にしたくないタイプの男ですが、サイコパスと結婚したことは同情すべき点でした。

映画「ゴーン・ガール」は、一人のサイコパスの女が、夫や家族、警察と全米メディアを巻き込んで、一大騒動を巻き起こす物語でした。

一般常識から逸脱しまくっている夫婦から、結婚の一般論につなげることは個人的にはできなかったし、内容とメッセージの乖離が大きいことに、観ていてなんだか疲れてしまいました。

もちろん、映画の見方はそれぞれなので、本作を観て、結婚や夫婦について何らかの気づき、共感を得る人もいると思います。

それでも、本作が「結婚に憧れる人や、カップルは観ない方がいい」と言われていることには、こう反論したいです。

観ても大丈夫。特殊すぎる夫婦の話だから。

映画のメッセージの部分は意識的に振り払い、単純にミステリーあるいはクライムムービーとして観れば、誰でもそれなりに楽しめる普通の映画だと思います。

ゴーン・ガール を観た人にオススメの作品


「セブン」
本作のデヴィッド・フィンチャー監督作品。映画史に残る後味の悪いラストは、時を経ても忘れられません。刺激を求める人におすすめです。

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