ダンガル きっと、つよくなる | |
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総合評価 |
「ダンガル きっと、つよくなる」のあらすじ、感想です。
インド映画は好きだけど、なにしろ上映時間が長い。劇場に行くのも、自宅で観るのも、最近はちょっと大変だなあ…と思っていました。でも「VODなら色んな端末、外出先でも再生できるので観やすいかも?」と思い、ずっと観たかったこの作品をAmazonプライムビデオでレンタル。結果、インド映画とVODの相性はバッチリ。まとまった時間がなくてもインド映画を楽しめました。
- 父親は鬼コーチ!金メダルを目指して熱血指導
- 女子レスリングなんてありえない?!インドの厳しい事情
- 「ダンガル」という言葉に隠された意味
この記事の要点まとめ
ダンガル きっと、つよくなる 基本情報
原題 | Dangal |
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監督 | ニテーシュ・ティワーリー |
出演者 | アーミル・カーン、ファーティマー・サナー、サニヤー・マルホートラ |
公開時期 | 2018年 |
ジャンル | 人間ドラマ |
ダンガル きっと、つよくなる あらすじ
マハヴィルはかつて実力あるレスリング選手だったが、生活のために国際大会でメダルを取る夢をあきらめて、引退した。息子が生まれたら、自身の夢を引き継ごうと考えていたが、生まれてきた子どもは、4人すべて女の子。しかし、成長した長女のギータと次女のバビータが、喧嘩で男子を負かしたことをきっかけに才能を見出し、二人にレスリングの特訓を始める。ギータとバビータは髪を短く切り、男と同じ恰好をして練習に励むが、周囲の人々は「女がレスリングをやるのはおかしい」と言って、試合への出場も認められない。そんな中ようやく出場した試合でギータは実力を発揮し、それ以降、数々の大会で勝利していく…。
ダンガル きっと、つよくなる ツイッターの反応
『ダンガル きっと、つよくなる』スパルタ式スポ根映画ではあるが、家族愛が根底に。親の夢の押し付けには否定的にもなりがちだが、自立心が芽生えるターニングポイントは胸に迫る。吹き替えなしのレスリングシーンは見事。カーンの肉体改造も驚嘆。 https://t.co/s3LuL3Vxrz
— fleur_eau (@fleur_eau) 2018年4月15日
バーフバリ、ダンガル、パッドマン、インドは映画で女性の地位を変えようとしてるのがビシビシ伝わってくる。
— mm (@m_momose) 2018年12月7日
ダンガル。父権社会とセクシズムと地方格差とパワハラと組織の腐敗に死!!!と何度も思いつつもアーミル・カーン様演じる姉妹の父があの大会で言った言葉には本当に感動しました。あれが、アーミル・カーン様がこの映画を通して本当に伝えたかったことなのだと私は信じています。
— 有狩(あるかり) (@ion_alcali) 2018年5月15日
ダンガル きっと、つよくなる 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り
「こんな父親、絶対にいやだ…」と思って、最初の方は観ていました。
家長として父親が絶対的権力を持つインド。その立場を利用して、娘たちにレスリングの特訓を強要し、反抗すると髪を切る。洋服も美しいサリーからTシャツ・短パンに着替えさせて、娘たちが学校で笑いものになってもお構いなし。まさに家庭内パワハラです。
でも話が進むにつれて、ただの熱血スポ根物語ではない、この映画のもう一つのテーマが見えてきます。
それは「インドの女性が置かれた状況と、その地位の向上について」
今から20年ほど前、インドの地方の小さな村では、女性がレスリングをするなど、ありえないことでした。
「女は家事や育児だけを期待され、14歳で強制的に嫁に行かされる」世界。そんな中でマハヴィルは周囲の人に「頭がおかしい」と言われても、娘たちの才能を信じ、金メダルを目指してレスリングを続けさせます。
「もしかしてこのおじさん、めちゃめちゃ先進的なのでは…?」と、だんだん見方が変わっていきました。
父と娘たちは猛特訓を続け、ついにギータは国際大会の決勝へ。マハヴィルは試合を控えたギータに、ある言葉を送ります。
「敵は(決勝の相手の)オーストラリア人ではない。女を下に見るすべての人間との戦いだ」
「ダンガル、ダンガル(戦え、戦え)…」。劇中歌としても何度も出てくるこの言葉。レスリングの試合を指すと思っていましたが、もう一つの意味があったとわかりました。
マハヴィルは、最初から女性の地位向上のために、娘の特訓を始めたわけではありません。でも「女だから」という理由では、何ひとつ諦めませんでした。だからこそ、ギータはガムシャラに努力することができて、国際大会で金メダルが取れた。それが結果的に、インドの女性の地位向上にもつながったのです。
実際にギータとバビータを見て、インドでは何千人もの少女たちがレスリングをはじめたそうです。実話だと考えると、本当にすごい話だと思います。
何度も出てくるレスリングの試合シーンは、とても見ごたえがあります。あまりの迫力に、ギータ役は本物のレスリング選手なのでは?と思ったのですが、女優さんでした。ちなみに公開当時、吉田沙保里選手がこの映画を観て「試合シーンのリアリティがすごい。初心者とは思えない」と語ったそうです。一体どういう練習をすると、あんなにできるようになるのか?役者さんってやっぱり凄い…。
2時間40分の長い映画ですが、飽きることはなく、熱中して鑑賞しました。インド映画はやっぱり面白い。これからもチェックしていきたいと思います。
ダンガル きっと、つよくなる を観た人にオススメの作品
「ムトゥ 踊るマハラジャ」20年前、日本で大ヒットした映画。2018年には4K&5.1chデジタルリマスター版が公開されました。
インド映画を観たことがない人に観てほしい、おすすめの1本です。