ツナグ | |
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総合評価 |
「ツナグ」のあらすじ、感想です。
原作は、2010年に発売された辻村深月のベストセラー小説です。つい先日、続編が出版されたことで第一作を含めて、再び話題になりました。
本当は、小説の方を読むつもりでしたが、キャストの豪華さに惹かれ、先に実写映画を観ることに決めました。
死者との再会というストーリーを、映像的にどのように描くのかという点にも興味がありました。
- 「ツナグ」の役割と葛藤
- 大女優たちの貴重な名演
ツナグ 基本情報
原作 | 小説 「ツナグ」辻村深月 |
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監督 | 平川雄一朗 |
出演者 | 松坂桃李、樹木希林、佐藤隆太、桐谷美玲 |
公開時期 | 2012年 |
ジャンル | ファンタジー/人間ドラマ |
ツナグ あらすじ
「ツナグ」とは、死者と生者の再会を請負う人。
依頼人がもう一度会いたいと願う死者を呼び出して交渉し、死者が承諾すれば、一晩だけ依頼人と死者を再会させるのが「ツナグ」の役割だった。
男子高校生の渋谷歩美は、「ツナグ」を祖母のアイ子から引き継ぐために見習い中。
報酬などは一切受け取らず、いわばボランティアとしてアイ子の一族が代々受け継いできた「ツナグ」になるために、歩美は不慣れながらも依頼者の願いを叶えるべく、奮闘する。
しかし、死者と会うことで救われる者だけではなく、死者と再会したことが原因でより深い後悔に苛まれる者もいて、歩美は「ツナグ」の役割を果たすことの難しさに葛藤していた。
さらに、歩美自身の両親も不幸な死を遂げていて、その真相はいまだにわからない状態だったため、アイ子は「ツナグ」を歩美に正式に引き継ぐ前に、歩美と死んだ両親が再会することをすすめるのだが…。
ツナグ ツイッターの反応
ヤベー、目が腫れちまうよー
ツナグっていい映画ですね。— tokiy (@tokiya41) October 14, 2017
映画【ツナグ】
もし、亡くなってしまった大切な人と1度だけ逢えるとしたら
その仲介をするのが、ツナグの役割りである主人公の歩美も言っていたが、死んだ後に魂はどこに行くのか
亡くなってしまった大切な人と逢っても良いのだろうか逢わない優しさもあるのかもしれない
#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/fbmzBXxrnL
— サスケ (@4t3yzd1HTwhfOKp) June 6, 2019
ツナグ
辻村深月さん原作の映画。死者と一度だけ会える使者を通じた物語。若き日の松坂桃李さんと往年の樹木希林さんらが演じています。
原作の良さも生かされていて、優しさと苦さを味わうことのできるものでした。 pic.twitter.com/WRkLqPmQ6X— だるま猫 (@yukino_daruma) March 17, 2019
ツナグ 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り
映画を観る前は、「ツナグ」である主人公の歩美は、単なる狂言回しだと思っていました。
しかし実際は、歩美はまだ「ツナグ」の見習いであり、普通の男子高校生。役割を受け継ぐことに迷いや葛藤がある、という設定が意外でした。
歩美は、「ツナグ」として新米であるがゆえに、依頼人が喜んでくれれば素直に喜ぶし、死者との再会で傷ついた依頼人を前にすると、自分の役割に疑問を持ち悩みます。
さらに、死者を呼び出したにも関わらず、「会う勇気がない」と言って逃げ出した依頼人のことを必死で追いかけて行き、「絶対に会うべきだ」と熱く訴えかけたりもします。
“死者と生者を結ぶ存在”という言葉から、「ツナグ」はてっきりすべてを達観したような大人びた若者、もしくは人間離れしたミステリアスな男だと思っていました。
だから、歩美がごく普通の男子高校生で、当たり前の不安や葛藤を持つ人物だったことは、ストーリーに意外性と深みを与えていたように思います。
さらに、本作で特筆すべきは、出演者の豪華さです。
最近亡くなった大女優、樹木希林さんと八千草薫さんが、二人ともこの作品に出ていたことには驚きました。
特に、歩美の祖母を演じた樹木希林さんは、一人だけ別次元にいるような圧倒的な存在感でした。
現役の「ツナグ」であり、歩美の両親の死について責任を感じている祖母。この難しい役どころを樹木さんが演じることで、物語の現実味は増し、この世界のどこかに「ツナグ」は本当にいるのではないか?と思わされました。
エンターティメントとして気軽に楽しめる映画でありながら、大女優たちの名演を観ることができるという意味でも、一見の価値がある作品です。
この映画を観た人は皆、「死者と会えるなら、誰に会いたいか」と考えると思います。私自身も、会いたい人のことを思い浮かべました。
会いたい死者を思うということは、すなわち現在の自分に向き合うということです。
死者に会って自分自身の何を伝えたいのか。あるいは死者に聞きたいことがあるとしたら、それは自分の心にずっと引っかかっていたことだとわかります。
そのような意味で、誰もが心の深いところにしまっている感情を、そっと引き出すような映画でもありました。
先日出版された続編では、七年後が描かれ、主人公の歩美は社会人になっているそうです。
小説で読むこともできますが、本作を観た以上、せっかくなら続編も映画で観たいなあと思っています。
ツナグ を観た人にオススメの作品
「黄泉がえり」
2003年公開。今ほどネットやSNSが発達していなかった時代に、口コミで広がり大ヒットした映画。死んだ人が蘇るという不思議な現象を描く感動作です。