レビュー

【15時17分、パリ行き】映画の感想|三人の青年が乗り込んだ運命の列車。本人出演で実話を映画化。


15時17分、パリ行き
総合評価

「15時17分、パリ行き」のあらすじ、感想です。

映画「運び屋」を観て、クリント・イーストウッドの他の作品が観たくなりました。

そこで思い出したのが、以前録画した「15時17分、パリ行き」。今まで観ていなかった理由はただ一つ、レビューや口コミの評判が芳しくなかったからです。

しかし今回は、大まかな内容と批判されている点を把握した上で、観ることに決めました。

実話であることに加え、事件の当事者が本人役を演じているところも、注目ポイントでした。

  1. 事件の当事者が本人役で出演
  2. 平凡な人生と運命的な事件が交差する時

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15時17分、パリ行き 基本情報

原題 The 15:17 to Paris
監督 クリント・イーストウッド
出演者 スペンサー・ストーン、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス
公開時期 2018年
ジャンル 伝記/人間ドラマ

15時17分、パリ行き あらすじ

アメリカ、カリフォルニア州サクラメント。小学生のアレク・スカラトスとスペンサー・ストーンは、やんちゃな行動で問題児扱いされつつも、仲良く遊び友情を育んでいた。

さらに、中学ではアンソニー・サドラーも加わり、三人は頻繁に校長室に呼ばれて説教をされたり、軍隊に憧れてサバイバルゲームを楽しんだりしながら、少年時代を送る。

時が流れ、オレゴン州に引っ越したアレクは、州兵としてアフガニスタンに駐留。スペンサーは、努力を重ねてアメリカ空軍に入る。

大学に進学したアンソニーも加えた三人は、2015年の夏、休暇を取得しヨーロッパ旅行へと向かう。

各国を周遊し、アムステルダムからパリへ向かう特急電車タリスに乗り込んだ三人。そこで待っていたのは、彼らの運命を変える「タリス銃乱射事件」だった。

15時17分、パリ行き ツイッターの反応

15時17分、パリ行き 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

―有名なテロ事件の実話映画だと思って観たら、若者たちの日常描写ばかりで退屈。期待はずれ。

鑑賞前に見かけた、批判的なレビューです。実際このような感想をいくつか読んだことを理由に、これまで本作を観ていませんでした。

確かに、あらすじからはテロ事件の描写が主体で、青年たちの生い立ちはあくまでも補足と考えるのが、普通でしょう。個人的にも、最初はそう思っていました。

だから、今回大まかな内容を知ってから観たのは、正解だったかもしれません。過剰な期待がなかった分、逆に、作品が伝えたかったことがクリアに見えたような気がしています。

「タリス銃乱射事件」で犯人に立ち向かったアレク、スペンサー、アンソニーは、ごく普通の青年でした。

子供時代から仲が良く、やんちゃな行動で学校や教師に問題児扱いされても腐らずに、それぞれの人生を真面目に歩んできた三人。

ヨーロッパ旅行のシーンを見ていても、彼らが本当にありふれた友人同士で、特別に英雄的な面があったわけではないことがわかります。

ドラマチックな事が起きないため、この旅行シーンにも「長い」「退屈」といった批判を見かけました。しかし、「三人の人生が平凡だった」という事実は、本作ではきわめて重要でした。

彼らは、テロ事件で多くの命を救った英雄ですが、生い立ちや少年時代には特別なところがない、平凡な青年たちです。

テロリストから人々を救うという偉業が、普通の人によってなされたことを強調するためには、退屈だと批判される少年時代やヨーロッパ旅行の描写は、必要だったのだと思います。

また、思いがけない事態に遭遇した時に、人が咄嗟に取る行動には、日頃の言動や人間性が大きく反映されます。

そのような意味で、アレクたちの勇気ある行動を、彼らの生い立ちや日常と共に語ることは、自然だとも感じました。

誰かの勇気ある行動を見て、人は自分自身が持つ勇気を少しだけ積み上げることができる。

本作を観て、そんな思いを新たにしました。

批判的なレビューを見て期待していなかった分、逆に評価が高くなった面はあるかもしれません。それでも、個人的には観てよかったと思える映画でした。

タリス銃乱射事件で起きたこと、多くの人々の命を救った無名の青年たちがいたという事実を知るためだけでも、たくさんの人に観てほしいと願う作品です。

15時17分、パリ行き を観た人にオススメの作品


「硫黄島からの手紙」
クリント・イーストウッド監督。本作で描かれた日本兵も名もなき人々。戦争という極限状況下で「普通の人間」がどう生きたのかを描く傑作です。

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