パラサイト 半地下の家族 | |
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総合評価 |
第72回カンヌ国際映画祭 パルム・ドールの「パラサイト 半地下の家族」のあらすじ、感想です。
ポスターと予告映像を見た時に「この映画は、絶対に観たい」と思いました。
一見コミカルな内容に見えるのに、漂うのは不穏な空気。ジャンルがよくわからないところにも、興味を惹かれました。
「ネタバレ厳禁」と言われる映画ですが、話題作のため周囲でも観に行く人が続々。余計な情報が入る前に…と、公開から間もない劇場へ急ぎました。
- 想像を超える驚きの展開
- 不安を掻き立てるカメラワークと演出
- エンタメと社会派作品を両立する脚本
この記事の要点まとめ
パラサイト 半地下の家族 基本情報
原題 | パラサイト(韓国語) |
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製作国 | 韓国 |
監督 | ポン・ジュノ |
出演者 | ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク |
公開時期 | 2020年(限定公開2019年) |
ジャンル | サスペンス/人間ドラマ |
パラサイト 半地下の家族 あらすじ
半地下の住宅で暮らすキム一家の長男ギウは、友人の紹介で豪邸に住む社長一家の家庭教師を引き受ける。
信頼されたギウは、家族全員で豪邸の一家にパラサイト(寄生)する計画を立てる。
パラサイト 半地下の家族 ツイッターの反応
パラサイト 半地下の家族
観ました。あっという間に終わった。。。超エンターテインメントでした。。。
やべーなー!やべーす!!
マジで面白い!! pic.twitter.com/ddbkytcxD6— ダイノジ大地(吉本坂46) (@dienoji_ohchi) January 14, 2020
『パラサイト 半地下の家族』ちょっと待って……これ、ジャンルは何になるの…?今まで観たことない類の面白さであっという間に飲み込まれてしまった…!!!ネタバレしたら面白さ半減しちゃうから内容に触れるような感想書けないけど、久々に強烈な作品が観れて大満足!観終わった後の余韻が凄い…。 pic.twitter.com/x42MdVe6IV
— em (@em_0000) January 11, 2020
『パラサイト 半地下の家族』見た。半地下住宅に暮らす貧困家庭の兄妹が高台の裕福な家に身分を偽って入り込むが…というお話。コメディ風に始まった話がサスペンスになり最後には全く予想が付かない展開に。笑いと不安と風刺を同時に浴びせるような最高に面白い映画だった。こんな映画見たことない! pic.twitter.com/LWx7D8PZ9f
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) January 13, 2020
パラサイト 半地下の家族 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り
あらすじや予告を見ても、ジャンルがわからない映画でした。ジャンル不明とはすなわち、何が起きるかまったくわからないことを意味します。
映画「パラサイト」は、この”先が読めないこと”の怖さと面白さが、想像をはるかに上回る作品でした。
前半は、キム一家の「パラサイト計画」がテンポよく進みます。
思わずコメディとして観そうになりますが、カメラワークや伏線が示すのは、明らかに不穏な気配。実際、中盤で待っていたのは、1ミリも想像していなかった驚愕の展開でした。
社長一家が留守の夜、豪邸で我が物顔にくつろぐキム一家。そこへ、追い出したはずの元家政婦がやってきます。
ここからの一連のシーンは、久しぶりに映画を観ていてはっきり「怖い」と感じました。なぜなら、一体何が起きるのか本当にわからなかったからです。
たとえばホラー映画なら、ホラーらしいことが起きるはずだと予想できます。
一方で本作のようにジャンルがわからない映画は、心の準備ができないため、「なにが起きるの?そもそもこの映画はどういう映画なの…?!」と、他ではあまり感じない種類の怖さがありました。
元家政婦と豪邸の驚くべき秘密が明らかになったことで、物語はまさに急転。まったく先が読めないゾーンへと突入していきます。
後半は、最初の穏やかな雰囲気からは想像もできない、悲劇の連続。
思わず目を背けそうになりつつも、何が起きるか見逃すまいと夢中でスクリーンを見つめ続けました。
先が読めないストーリーを存分に楽しむ一方で、個人的に唯一しっくり来なかったのは、終わり方です。
長男ギウの実現見込みのない「計画」で終わるラストシーンは、思いがけずマイルドでした。
もし、後半怒涛の悲劇を畳みかけたまま終わっていたら、その衝撃と余韻は凄まじく、当分現実に戻れなかったと思います。
しかし実際は、キム一家の現状を説明する、ある意味親切な終わり方でした。結果、想像の余地があまりなく、良くも悪くも引きずらずに劇場を後にしました。
もっと後味悪く、観客を深い闇に残すラストの方が、この映画には相応しかったのではないか。そんな風に感じました。
とはいえ、これは個人的な好みの問題だろうと思います。
「パラサイト」のもう一つの凄さは、ただのエンターティメントではないことです。
驚くべきストーリーで引きつけた後、観客に格差社会や、貧困といった現在進行形の社会問題を直視させる手法は見事で、世界的な評価の高さにも納得しました。
エンターティメントとしても、社会派作品としても「劇場で観てよかった」と思える一流の映画だったことは、間違いありません。
パラサイト 半地下の家族 を観た人にオススメの作品
「タクシー運転手 約束は海を越えて」
本作でキム一家の父親を演じたソン・ガンホ主演の映画。エンタメとして鑑賞しつつ、韓国の歴史的悲劇”光州事件”について学べる作品です。