レビュー

【日日是好日】映画の感想|歳を重ねるのは楽しい。美しい映像で知る茶道の世界


日日是好日
総合評価

「日日是好日」のあらすじ、感想です。

劇場公開時、100万人以上の動員数を記録したヒット映画です。

評判の良さを知りながらも「好みじゃなさそう」と当時はスルーしたのですが、最近になってエッセイが原作だと知りました。

昔からエッセイというジャンルが好きなこと、茶道の世界が舞台であることに興味を持ち、Amazonプライムビデオに追加されたのをきっかけに、鑑賞してみました。

個人的に主演の黒木華さんが好きなので、彼女の演技も楽しみでした。

  1. 知られざる茶道の世界
  2. 美しい映像と音
  3. 歳を重ねることで、わかること

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日日是好日 基本情報

原作 自伝エッセイ 「日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-」森下典子
監督 大森立嗣
出演者 黒木華、樹木希林、多部未華子
公開時期 2018年
ジャンル 人間ドラマ

日日是好日 あらすじ

大学生の典子は、母親の勧めで従妹と一緒に茶道教室に通い始める。

教室の武田先生は、典子たちに茶道の「形」を一から教え、所作や道具について丁寧に指導する。

稽古を続けていく中で、茶道から大切なことを学んだ典子は、就職や結婚など人生において生じる悩みの壁を、ひとつひとつ乗り越えていく。

日日是好日 ツイッターの反応

日日是好日 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

観る前に、「なるほど、お茶についての映画ね」なんて、わかったような気になっていたのが、今思えば恥ずかしいです。

この映画を観て、自分が茶道について何も知らなかったことに気がつきました。

大学生の典子(黒木華)は、武田先生(樹木希林)の茶道教室に通い始めます。

先生が教える茶道の所作、道具の使い方、掛け軸の意味などに、初心者の典子は戸惑いますが、私自身も初めて知ることばかりでした。

先生の家は、外から見ると普通の住宅ですが、茶室はまるで別世界のような空間。

せわしない日常から離れた静かな茶室を舞台に、丁寧な所作や、伝統的な茶道具を見ているだけで、何とも言えない心地よさを感じました。

さらに、本作で印象的だったのは、映像と音の美しさです。

武田先生の家には、季節を感じさせるものがあふれています。庭の草花はもちろん、茶器や茶室の掛け軸も季節によって変わります。

立春、夏至、大寒…など二十四節気の画面表記とともに、移り変わる季節の映像を観ているだけで心が落ち着いて、深呼吸したくなりました。

また、穏やかなシーンが続くこの映画では、音も美しく響きます。

特に、屋根を叩く雨の音、つくばいに水が滴る音、柄杓で汲んだ水を茶碗に注ぐ音…など水音の美しさは格別でした。

映画が終わったあと、「もし子どもの頃、この映画を観ていたらどう思っただろう?」と想像してみました。

おそらく、「大きな事件も、驚くようなことも起きないからつまらない」「何がいいのかさっぱりわからない」と感じたと思います。

劇中に、”世の中には、『すぐにわかるもの』と『すぐにはわからないもの』の二種類がある”という言葉が出てきます。

典子も最初は、茶道の作法やしきたりに戸惑いました。しかし、稽古を長く続けることで、次第に茶道の奥深い魅力に気づいていきます。

私自身も、昔は理解できなかった物事、たとえば紅葉や雪景色、枯山水などの魅力が、大人になってわかるようになりました。

子どもの頃の私には、『すぐにはわからないもの』だったはずのこの映画。

いい大人になった今の私にとっては、心に染み入るシーンがたくさん見つかりました。

歳を重ねることでものの見方が変わっていくことは、人生の楽しみであると、改めてこの映画に教わったような気がします。

茶道について、また、典子がお茶を通じて学んだことについてもっと知りたいと思い、原作のエッセイも読むことにしました。

鑑賞をきっかけに、こんな風に興味が広がっていくことは、映画好きとして最も嬉しいことの一つです。

日日是好日 を観た人にオススメの作品


「利休」
1989年 千利休の生涯を描く歴史映画。本作を観て、茶道に興味を持った方に。茶碗など小物には一級美術品が数多く使用されています。

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