ドラマレビュー

【凪のお暇】ドラマの感想|しばし、お暇いただきます。人生リセットに奮闘するアラサー女子の物語。


凪のお暇
総合評価

「凪のお暇」のあらすじ、感想です。

累計200万部突破、複数の漫画賞を受賞している原作のことは、知りませんでした。

興味を持ったきっかけは、ドラマが始まる前、SNSで見つけたある投稿です。原作の読者だという投稿者が「主人公・凪のキャラクターが、すごく苦手だ」と、強い口調で言っていたのです。

それを見て、そんな風に嫌われる主人公の話って、一体どんな話なのだろう?と、一風変わった興味が湧いてきました。あらすじは知らない状態で、まずは第1話を観てみることにしました。

  1. 全部捨てる。人生リセットのお暇生活
  2. 個性的で、魅力的な登場人物たち
  3. 凪の意外な人物像と、作品のテーマ

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凪のお暇 基本情報

原作 漫画 「凪のお暇」コナリミサト
脚本 大島里美
出演者 黒木華、高橋一生、中村倫也、市川実日子
公開時期 2019年
ジャンル 人間ドラマ

凪のお暇 あらすじ

いつも空気を読んで行動する28歳のOL・大島凪は、職場でも周りに合わせて気を遣う、息苦しい毎日。

同僚とおしゃれな店でランチをしても、本当の趣味は節約。強い天然パーマの髪は、毎朝早起きして、ストレートに伸ばして出社していた。

凪の唯一の拠り所は、営業部のエースで、女性社員の人気も高い我聞慎二と、内緒で交際していること。慎二との結婚というゴールによって、勝ち組になることを夢見ていた。

ところが、ある日、同僚女性たちが陰で自分の悪口を言っていることを知り、さらに、慎二が職場で「凪との交際は、体が目当て」と同僚に話しているのを聞いてしまう。

心労が重なった凪は、過呼吸で倒れ、職場を退職。さらに家を引き払い、家財もスマホも交友関係もすべて捨てて、郊外へと引っ越す。人生をリセットするための、凪の「お暇生活」が始まった。

凪のお暇 ツイッターの反応

凪のお暇 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

ドラマの前半は、穏やかでほのぼのとした雰囲気。

主人公・凪は、他人の顔色をうかがってばかりいるところに、じれったさは感じるものの、嫌な人間だとは思えません。それどころか、人生リセットのためにすべてを捨てる行動には、勇気や潔さも感じました。

「主人公、別に悪い子じゃないじゃん」最初は、そんな風に思っていました。

ところが中盤。ちょっと雲行きが変わります。

第6話で、凪がバイトするスナックのママと、元彼の慎二が、凪に言います。

「お前は、他人に興味がない。自分に興味持ってくれるやつしか好きじゃない」

この指摘は、ちょっとした衝撃でした。今までの凪の行動を思い出すと、心当たりがあったからです。

凪が、同僚との会話で相槌を打つことしかできなかったのは、空気を読んでいるというより、初めから相手に興味がなく、話もつまらないと決めつけていたから。

仕事や交友関係を一度に捨ててしまえたのは、潔いというだけでなく、捨てられる程度にしか大切にしていなかったから。

凪は「空気を読み、他人を優先するタイプ」であると同時に、「本心では他人に興味がなく、自己愛の強いタイプ」でもあったのです。思いがけず、主人公の強烈な人間的欠点が浮き彫りになったことには、驚きました。

さらに、後半も、凪のダメな部分の描写は続きます。

例えば、第8話では、母親に逆らえず、言いなりになるがまま、大切な友達を裏切る凪。目の前の人にいい顔をすることしか考えていない行動には、観ていてずいぶんイライラさせられました。そして、視聴前に見たSNSの「凪のキャラが苦手」と言う投稿の件も、腑に落ちたのです。

それでも、個人的なドラマの評価は、中盤以降むしろ上がりました。

なぜなら、主人公を単純に正しく、共感できるキャラクターとせず、人間的にダメな部分もあからさまに描くことで、ありふれた“アラサー女子の自分探し”物語とは、一味も二味も違う印象が残ったからです。

「凪のお暇」のテーマは、恋愛問題でも人生リセット論でもなく、「主人公の凪がどういう人物で、どんな問題を抱え、どう成長したか」についてで、終始ブレませんでした。

全10話が終わって振り返ってみると、明確なテーマがくっきり浮かび上ってきて、まるで一本の映画を観た後のような気分が残りました。一風変わったきっかけでしたが、本当に観てよかったなあと思っています。

原作は未完のようなので、続編も期待しています。凪は、今頃もっと成長しているだろうか?最終回の”その後”の世界にも、思いを馳せたくなるようなドラマでした。

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漫画雑誌の新人編集者が、仕事を通じて成長していく姿を描く。
「凪のお暇」同様、黒木華さんの演技の上手さが光るドラマです。

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