十二人の死にたい子どもたち | |
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総合評価 |
「十二人の死にたい子どもたち」のあらすじ、感想です。
地上波初放送で話題になっていたのをきっかけに、BSで録画したままだった本作を観てみることにしました。
タイトルやポスターから、一人ずつ順番に死んでいくパニックホラーを想像。怖いシーンが多そうだけど、年齢指定がなくて大丈夫なのだろうか?と勝手に心配していました。
ストーリー以外では、人気の若手俳優が多数出演しているところも、注目ポイントでした。
- 12人の若手俳優の競演
- あるはずのない死体をめぐる謎
- 安楽死計画の行方
この記事の要点まとめ
十二人の死にたい子どもたち 基本情報
原作 | 小説 「十二人の死にたい子どもたち」冲方丁 |
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監督 | 堤幸彦 |
出演者 | 杉咲花、新田真剣佑、高杉真宙、橋本環奈 |
公開時期 | 2019年 |
ジャンル | サスペンス |
十二人の死にたい子どもたち あらすじ
ネットで企画された集団安楽死の「集い」に参加するため、廃病院に集まった12人の少年少女たち。
ところが会場に、誰なのかわからない13人目の死体が置かれていたことで、計画に狂いが生じる。
また、安楽死計画の実行には、12人全員の同意が必要というルールがあった。
死体の謎、計画実行の可否をめぐって12人で議論を重ねる中で、それぞれの”死にたい理由”が徐々に明らかになっていく。
十二人の死にたい子どもたち ツイッターの反応
来週は十二人の死にたい子どもたちか。タイトルからのイメージとは違う映画でなかなかおもしろかった
— らら (@rakuraku1006) January 24, 2020
久しぶりの映画を自宅で視聴
今回は『十二人の死にたい子どもたち』
思春期の悩みを1人で抱え込んでいるとどうしようもない気持ちはすごいわかる。
でも、同じ気持ちを持った人が違う価値観考え方をぶつけあうってとってもいいことだな。— ソラ (@YKAT_MNM) January 26, 2020
録画しといた十二人の死にたい子どもたちをやっとこ観たんですけど、映画は映画で良いとこもあるんだけど、原作の面白さが大分省略されてしまっている印象(結果的に原作が読みたくなってしまった)
— えりー (@erimarun) January 28, 2020
十二人の死にたい子どもたち 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り
陰惨なホラーかと思いきや、まったく違いました。
実際は、ほとんどのシーンが12人の少年少女たちの会話で進む密室群像劇です。
“0番”と呼ばれる13人目の死体に関する推理。
安楽死計画の実行可否。
この二つを話し合う中で、参加者それぞれの”死にたい理由”が徐々に明らかになっていきます。
会話の中でも特に印象に残ったのは、人気女優のリョウコと、ゴスロリファッションのミツエが、激論を交わすシーンです。
バンドマンの後追い自殺をしようとしていたミツエは、「あなた(リョウコ)のような人達は、私たちの希望なんだ!」と叫んで、リョウコが死ぬことに猛反対します。
エンタメの世界に心を支えられた経験者として、ミツエの言葉には深く共感しました。でも印象に残った理由は、それだけではありません。
死ぬ覚悟を固めて「集い」にやってきたミツエが、土壇場で赤の他人であるリョウコの自殺を必死に止める姿に、何とも言えない人間らしさを感じたのです。
映画の終わり、”0番”の謎を解き、真相が明らかになった後、12人は全員一致で安楽死計画の中止を決めます。
なぜ彼らは意志を翻し、死ぬことをやめたのか?
「集い」にやって来た12人は、全員が今すぐにでも死ぬことを望んでいました。
しかし、彼らは他のメンバーの”死にたい理由”を聞いて、「理解できない」「やめた方がいい」などと、時に疑問を呈します。前述のミツエは、その最たる例です。
彼らの反応には、「たとえ出会ったばかりの他人でも、目の前の相手にはなるべく死んで欲しくない」という、人間的で素直な感情が見え隠れしていました。
さらに12人は、同じ目的の他人と交流することで、次第に自分自身の”死にたい理由”を見つめ直していきます。
つまり、「集い」を通じて他人の背景を理解し、自分を客観視したことが、「計画中止」という選択へつながったのだと思います。
「合議した上で、他人と一緒に死ぬ」という方法が、結果として自殺のアンチテーゼとして機能したことは、意外でした。
自ら死を考えるような状況でも、「他者の命は救いたい」と感じ、自分を客観視できるという事実は、自殺という社会問題を考える上でも、重要なヒントになるかもしれません。
ただのホラーだと思って観たのに、気がつけば深く考え込んでいました。つくづく映画は、自分の目で観ないとわからないものだなあと思います。
怖い映画を想像して避ける人も多そうですが、意外にも誰が観ても大丈夫。特に若い人には、おすすめできる作品です。
十二人の死にたい子どもたち を観た人にオススメの作品
「12人の優しい日本人」
1991年公開。三谷幸喜の人気戯曲を映画化した作品。同じ12人でもこちらはコメディなので、気分を変えられます。