レビュー

【祈りの幕が下りる時】映画の感想|加賀の過去に大きく関わる事件の真相は?

祈りの幕が下りる時
総合評価

「祈りの幕が下りる時」のあらすじ、感想です。

予備知識が全くなかったのに、予告だけで「観に行こうかなあ…」と思った映画。内容が面白そうなのに加え、不思議なタイトルで、どういう意味だろう?と気になりました。でもシリーズもの、しかも完結編と知り、過去作を観ていないから…と劇場で観るのは断念。はたしてシリーズ未見でも楽しめるのだろうか?不安に思いつつも、鑑賞してみました。

  1. 加賀の過去と殺人事件の関わりとは
  2. 恐るべき才能?子役の演技に注目

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祈りの幕が下りる時 基本情報

原作 小説「祈りの幕が下りる時」東野圭吾
監督 福澤克雄
出演者 阿部寛、松嶋菜々子、溝端淳平
公開時期 2018年
ジャンル ミステリー/人間ドラマ

祈りの幕が下りる時 あらすじ

東京・葛飾区のアパートの一室で、女性の腐乱死体が発見された。被害者は滋賀県から来ていた40代の女性で、アパートの住人・越川睦夫は、行方がわからない。警察が捜査を進めると、現場近くで起きたホームレス放火殺人事件の被害者と、越川のDNAが一致すると判明。しかし、なぜ越川がホームレスの姿で殺されたのか、アパートで女性を殺害したのは誰なのかという謎は残り、捜査は難航する。そんな中、新進気鋭の舞台演出家・浅居博美と被害女性との関係性が浮上し、捜査の目が博美に向けられる。加賀恭一郎は博美と過去に面識があった。さらに事件は加賀の過去に深く関わっていることが明らかになっていく…。

祈りの幕が下りる時 ツイッターの反応

祈りの幕が下りる時 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

物語は、葛飾区のアパートで、女性の腐乱死体が見つかるところから始まります。
なかなかにエグい死体描写。さらに次に出てくる焼死体もそのままズバリ映るので、食事中に観るのはおすすめしません。

警察の捜査は、松嶋菜々子演じる演出家・浅居博美への疑惑を中心に、手がかりがつながっていき、事件の全体像が見えてきた…というところまで一気に進みます。ところが、この流れは間違っていたことがわかり、あえなく捜査は振出しに。

ここで時間を確認したら、約1時間、半分が過ぎていました。「まだ半分もあるのか~」と思う映画と、「え!もうそんなに経った?」と思う映画がありますが、この映画は後者。途中ダレさせず、一気にここまで見せた脚本に、テンポの良さを感じました。

そうそうたる顔ぶれの俳優陣の中で、一番印象に残ったのは意外な人物。中学生時代の浅居博美を演じた子役、桜田ひよりという若い女優さんです。

浅居博美が中学生のころ、自身と父親のその後の運命を決定づける悲劇的な夜があります。
このシーンの泣きの演技が圧倒的で「一体この子は誰なんだ…?」と強く心に残ったのです。後で調べてみると、同じような感想が多いこと、さらに阿部寛、溝端淳平ら共演者が彼女の演技を絶賛していたことがわかりました。そんなことは全く知らずに鑑賞して、実際一番印象に残ったのだから、凄い才能だと思います。

この映画は「泣けるミステリー」と言われていますが、私はあまり泣けませんでした。

なぜだろう?と考えると、浅居博美の過去は想像を上回る壮絶さで、事件の真相は筆舌に尽くしがたい悲劇。同情や共感より、「世の中や周囲がなんとかできなかったのか?」という疑問や憤りの方が勝って、泣けなかったのかもしれません。

一方、もう一つの重要な物語である、主人公・加賀恭一郎と母親の過去。母親が加賀への気持ちを吐露するシーンでは、目頭が熱くなりました。予備知識のない私でこうなら、長年『新参者』シリーズを観てきたファンはもっとだろうと思います。加賀の物語を深く理解したかったので、シリーズ未見をちょっぴり悔やみました。

ストーリーの完成度から言えば高評価なのですが、もしこの作品が2~3時間のテレビドラマだったしても納得してしまう、という意味で-0.5です。「劇場のスクリーンで観ればよかった」と後悔させるような何かが、もう少し欲しかったです。

シリーズものを途中から鑑賞するのも「案外、いけるな」とこの作品を観て思いました。また同じような機会があれば、チャレンジします。

祈りの幕が下りる時 を観た人にオススメの作品


「麒麟の翼」
『新参者』シリーズの劇場版第一作。順不同でも十分楽しめることがわかったので、完結編の本作から一作目に戻ってみるのもおすすめです。

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