ドラマレビュー

【おっさんずラブ-in the sky-】ドラマの感想|心底がっかり。過程が結末に結びつかない残念すぎるドラマ。


おっさんずラブ-in the sky-
総合評価

「おっさんずラブ-in the sky-」のあらすじ、感想です。

ドラマ版、劇場版と観てきた「おっさんずラブ」のシーズン2。

とはいえ、単純な続編ではなく、主人公の春田(田中圭)と、黒澤(吉田鋼太郎)のキャラクターだけ残して、舞台や他の登場人物は一新したパラレルワールド設定です。

前作が傑作だっただけに、二番煎じの不安を感じる一方で、前作と同じスタッフ・主要キャストで作るドラマであることに、大きな期待感もありました。

「どうせ観るなら、あまりシーズン1と比べずに楽しもう」と、新たな気持ちで視聴しました。

  1. 設定と登場人物を一新!航空会社が舞台
  2. 多角関係で展開する恋愛模様

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おっさんずラブ-in the sky- 基本情報

脚本 徳尾浩司
出演者 田中圭、吉田鋼太郎、千葉雄大、戸次重幸
公開時期 2019年
ジャンル ラブコメディ

おっさんずラブ-in the sky- あらすじ

勤めていた会社をリストラされた35歳・独身の春田創一は、天空ピーチエアラインにキャビンアテンダントとして再就職。

グレートキャプテンと呼ばれる機長の黒澤、不愛想な副機長の成瀬らとともに、はじめての仕事に奮闘する。

ある日、春田は、職場で自分の顔が描かれた大量のデッサン用紙を発見。

春田を密かに見つめ、デッサンを書いていたのは誰なのか?

春田と同じ社員寮で暮らす、整備士の四宮も加わり、春田、黒澤、成瀬、四宮の複雑な恋愛模様が交錯していく。

おっさんずラブ-in the sky- ツイッターの反応

おっさんずラブ-in the sky- 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

一体なぜ、こんなことになってしまったのか…。

「おっさんずラブ-in the sky-」(以下、インザスカイ)を観終えて感じたのは、不満と憤り…そして、悲しみでした。

そもそも、前半から感じていた不満が一つありました。登場人物が多すぎることです。

全8話で、主人公・春田と恋の関係者だけでも、男性4人女性1人の計5人。

全員重要な人物ですが、それぞれの感情を掘り下げるには時間が足りず、関係性の描き方も表面的になってしまったように思います。

にもかかわらず、話題作りなのか途中で新キャラを投入し、さらに登場人物を増やすのを見て、不安が募りました。大丈夫なのか?このドラマはちゃんと収拾がつくのか?

…残念ながら、不安は的中します。

最終回、春田は黒澤と結ばれますが、正直この結末は衝撃的でした。

なぜなら、春田はずっと成瀬のことが好きだったから。上司の黒澤には「恋愛感情はない」と、はっきり告げていたから。

いつから、春田は黒澤を恋愛対象として見ていたのか?まったく心当たりがないのです。

正確に言えば、「春田は黒澤に恋愛感情があった」と信ずるに足る十分な描写=情報量を、視聴者としてもらっていません。

まさか、全話しっかり観てきた恋愛ドラマで、主人公が誰を好きだったのか最後までわからない…なんて事態になるとは、思ってもみませんでした。

恋愛ドラマは結果を求めて観るものではなく、過程に夢中になるものです。

ところが、インザスカイでは、結末につながる大切な過程の描写が、致命的に不足していました。

登場人物を減らすとか、最終回から逆算してエピソードを積み重ねるとか、できることはたくさんあったのではないかと、不可解でなりません。

タイトルがブランド力を持つほどの人気シリーズの続編としては、残念すぎる出来だと言わざるを得ず、最終的には悲しい気持ちだけが残りました。

一方で、インザスカイのよかった点を挙げるとすれば、LGBTドラマとしての安定感です。

今回は「男同士の恋」という設定をほぼ意識することなく、本当にごく普通の恋愛ドラマとして観ました。

登場人物の恋する相手が異性でも同性でも、当たり前のように共感して楽しめる地上波ドラマ。

多様性を認める社会を作っていく上で、「おっさんずラブ」シリーズが果たす役割は決して小さくないと感じます。

残念ながら、今回のドラマは、個人的にはまったく好きになれませんでした。

それでも、シリーズの根底にある「人が人を好きになることを、丸ごとすべて許容する世界」のことは変わらず好きだし、現実もそんな世界になればいいと願う気持ちに、変わりはありません。

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