レビュー

【湯を沸かすほどの熱い愛】映画の感想|衝撃のラストに注目。家族を包む母の愛


湯を沸かすほどの熱い愛
総合評価

第40回日本アカデミー賞・優秀作品賞受賞の「湯を沸かすほどの熱い愛」のあらすじ、感想です。

邦画の家族もの(特に暗い題材)に苦手意識があったので、観るのをためらうこと数か月。でも、映画賞をいくつも受賞しているし、Amazonプライム見放題も終了するし…ということで、思い切って鑑賞することに。ざっと評判を調べてみると「ラストに驚いた」「衝撃」といった言葉が目につきます。一体どんなラストなのだろう?そこも注目ポイントでした。

  1. 本格派俳優たちの圧倒的な演技
  2. 賛否両論?予想外のラスト

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湯を沸かすほどの熱い愛 基本情報

監督 中野量太
出演者 宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー
公開時期 2016年
ジャンル 人間ドラマ

湯を沸かすほどの熱い愛 あらすじ

夫婦で銭湯を営んできた幸野家だったが、夫が失踪したことをきっかけに、休業を余儀なくされていた。妻の双葉はパン屋で働きながら娘の安澄を育てていたが、ある日体調不良で受診した病院で、末期がんで余命が2~3か月だと告げられる。同じころ、娘の安澄は学校で同級生からいじめを受けていた。双葉は自分が生きているうちに片づけなくてはならない問題がたくさんあることを悟り、まずはいじめ問題を解決するべく、安澄を勇気づける。さらに行方不明の夫・一浩の捜索を依頼していた探偵から「見つかった」との連絡が来て…。

湯を沸かすほどの熱い愛 ツイッターの反応

湯を沸かすほどの熱い愛 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

舞台は地方の街で銭湯を経営する幸野家。穏やかな日常から始まりますが、ほのぼのした雰囲気は長く続きません。

陰湿ないじめ。余命宣告。暗く重い空気が立ち込めて、正直、観ているのがしんどい…。それでも最後まで観ることができたのは、良くも悪くも感情を揺さぶられる映画だったからだと思います。

まず感じたのは、主人公・双葉の言動への違和感でした。

いじめによって追い込まれ、「学校に行きたくない」と訴える娘の安澄に対し、双葉は「明日も行こうね」「勇気を出しなさい」「逃げちゃだめ」と繰り返します。

娘に何があったのかを尋ねず、ただ「逃げるな」と繰り返す双葉の対応は、全く理解できませんでした。

他にも双葉の言動には、娘の意思を尊重しているとは思えないものが多く、「余命宣告」「残された時間が少ない」ことを考慮しても、双葉という女性が体現する母親像に、最後まで好感を持てなかったのは、残念でした。

一方で、映画を観る原動力となったのは、俳優陣の素晴らしい演技です。

特に、双葉を演じた宮沢りえ。「天才だなあ…」と観ている間、呟くこと数回。ほんのわずかな表情の変化で、繊細な感情を巧みに表します。

さらに安澄役の杉咲花も負けていません。この二人が芝居でぶつかる場面の中でも、双葉が安澄に自分が本当の親ではないことを告げるシーンは、特に見ごたえがありました。

他にもオダギリジョー、松坂桃李、妹役の子役…など、芝居巧者ばかり。この映画が数々の賞を受賞している理由を、個人的にはこの俳優陣の熱演に見出しました。

最後に、注目していたラストシーンについて。
双葉の死後、銭湯で葬式を行った安澄、夫の一浩ら近親者は、出棺後、火葬場に向かうと見せかけて、双葉の遺体をこっそり銭湯に残します。

安澄たちは、双葉の遺体を銭湯の薪のボイラーで燃やしました。煙突から立ち上る血のような赤い煙。遺体を燃やして沸いた湯に残された家族が皆で入り、「あったかいね…」と言葉を交わすのです。

「ありえない」「ホラーで怖い」等の感想も見かけましたが、想像していたほどの衝撃はなく「意外なことするなあ…」と思ったくらいでした。

ただ、「湯を沸かすほどの熱い愛」というタイトルが「双葉の愛」を指すことは、本編から十分感じ取れていたので、「リアルに湯を沸かしちゃうのかよ…」と演出・仕掛けが、ちょっと狙いすぎな気がしました。比喩のままでよかったんだけどなあ…。

人によって好き、嫌いが分かれる映画かな…という印象です。
個人的にはストーリーや脚本より、俳優陣のお芝居の凄さが記憶として強く残る映画でした。

湯を沸かすほどの熱い愛 を観た人にオススメの作品


「たそがれ清兵衛」
宮沢りえの演技に感心した映画ということで、昔観たこの作品を思い出しました。藤沢周平原作の傑作時代劇です。

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