【最強のふたり】映画の感想｜共通点ゼロの二人が育む、友情と絆

最強のふたり
総合評価

第36回日本アカデミー賞・最優秀外国作品賞の「最強のふたり」のあらすじ、感想です。

本当のことを言えば、観たいと思っていたのは別の映画でした。2019年アカデミー作品賞「グリーンブック」。劇場公開を見逃してしまいましたが、「グリーンブック」のレビューで、似た映画としてよく名前があがっていたのが、この「最強のふたり」です。代わりにしたり、比べたりするつもりはありません。でも、「グリーンブック」が観たいと思った「気分」みたいなものには、きっと上手くハマるのではないか？そんな風に考えて、鑑賞してみました。

共通点のない二人が育む、友情と絆
かなりブラック！？ユーモアあふれる台詞とジョーク

この記事の要点まとめ

最強のふたり　基本情報
最強のふたり　あらすじ
最強のふたり　ツイッターの反応
最強のふたり　個人的な感想　⚠︎ネタバレ有り
最強のふたり　を観た人にオススメの作品

最強のふたり　基本情報

原題	Intouchables
監督	エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
出演者	フランソワ・クリュゼ、オマール・シー
公開時期	2012年
ジャンル	人間ドラマ

最強のふたり　あらすじ

パリの大富豪フィリップは、事故で頸髄を損傷し、首から下を自力で動かすことができないため、車いす生活を送っていた。フィリップの介護人を採用する面接に、スラムで暮らす黒人のドリスがやって来る。しかし、ドリスの目的は採用されることではなく、失業保険の受給に必要なサインをもらうことだった。介護未経験で、やる気もないドリスだったが、フィリップは試用期間付きで採用することを決める。ドリスは戸惑いながらも、フィリップの邸宅に住み込み、仕事を開始。共通点がまったくない二人だったが、ドリスが偏見なく自分に接する様子をフィリップは気に入り、ドリスを本採用する。そして一緒に過ごすうちに、二人の心の距離も次第に縮まっていく…。

最強のふたり　ツイッターの反応

『最強のふたり』
立場の違う2人の絆にグッとくる。純粋なエンタメ作として障害者を描いていて、押し付けがましいチープな同情なんかは何もない。笑って泣ける、心温まる作品 pic.twitter.com/skFaJCe6DM

— 映画で泣く男 (@_CryWith_Movie) 2019年5月28日

最強のふたりを観た！実話をもとにしてる作品なんですね、本当に良い作品でした pic.twitter.com/z26fZnBRqp

— のりしお (@norishio_onair) 2019年5月25日

最強のふたり観賞
なんとなくグリーンブックを彷彿とさせる映画人種も障害者である差別もないふたりの絆にグッときます#最強のふたり #映画好きな人と繋がりたい #久しぶりの映画 pic.twitter.com/JaQkmRv2IZ

— えりー (@E0755) 2019年5月25日

『最強のふたり』を観た。いやー、これは久々にすごくいい映画でしたね。エモーションに泣かせにかかるようなシーンとかないんだけど、観ていると心がほぐれてくるような不思議な感覚になった。いい映画は過剰な説明もセリフもいらない。

— ふっくん (@fukkunmania) 2019年5月13日

最強のふたり　個人的な感想　⚠︎ネタバレ有り

大富豪フィリップに雇われたドリス。言動は滅茶苦茶で、障害をネタにしたジョークもバンバン言います。

メディアの「配慮した表現」に慣れている身としては、きわどいジョークにはひやひやしました。

でも、当のフィリップは意に介しません。むしろ、ドリスを側に置くことを心配する友人に対して、「彼(ドリス)は、他の人間と違って私に同情していない」と言い返します。

ドリスはフィリップを最初から「障害者」ではなく、「一人の人間」として見て、接していました。そんなフラットなドリスを、フィリップは気に入ったのです。

まったく共通点のない二人が徐々に互いを理解し、友情を深めていく過程を見るのは、素敵な体験でした。

フィリップは首から下を動かすことができないので、顔の表情がフィリップの感情をうかがい知る唯一の手段です。ドリスと出会った頃は、「笑う」と言っても口角を少し上げる程度だったのが、どんどん表情が豊かになっていきます。DVDジャケットの「ドリスがフィリップの車椅子を押すシーン」では、こぼれ落ちるような笑顔。こんな表情がたくさん出てきます。二人のやり取りをながめているうちに、自分も自然と笑顔になっていたことに、途中で気がつきました。

絆が深まった二人でしたが、フィリップがドリスの複雑な家庭事情を知ったことをきっかけに、ドリスの将来を思って介護人契約を解除します。

ドリスがいなくなった後のフィリップはヒゲも伸び放題、新しい介護人にも心を開かず荒れる日が続きます。

映画は終盤。残り時間が少なくなり、だんだん結末が気になってきました。
ドリスと離れて荒れるフィリップは、まさか死にたがっているのでは？ドリスの家庭に何か悪いことが起きるのでは？物悲しいピアノの音楽も相まって、不吉な展開ばかりが頭に浮かびます。

でも、この不安は杞憂でした。契約解除後も、フィリップとドリスがそれぞれ幸せな人生を歩み、深い絆で結ばれていたことがわかります。

後から思えば、結末だけでなく、映画を観ている間に何度か悲劇的なストーリー展開を想像しました。重い障害、スラム、人種差別…こういうキーワードのイメージにとらわれていたのです。この映画のハッピーな結末によって、自分の中にも先入観があったことに、気が付きました。

観終わった今、何とも言えない心地よい気分です。自然と微笑んで、とてもくつろいだ気分になれる。そんな映画でした。

アメリカでこの映画のリメイクが制作され、2019年に同国で公開予定とのことです。それに伴って、この「最強のふたり」も再び注目を浴びるかもしれません。