レビュー

【ビッグ・フィッシュ】映画の感想|父と息子の絆。美しい大人のファンタジー

ビッグ・フィッシュ
総合評価

「ビッグ・フィッシュ」のあらすじ、感想です。

良い映画を観て感動しても、しばらくすると忘れてしまいます。時には二度、三度と見返す作品もありますが、記憶からこぼれていく映画の方が多いのも事実。
Amazonプライムビデオでこの作品を見つけたとき、急に思い出しました。「昔、映画館で観た。しかも感動した」…と。あらすじどころか作品の存在も忘れていたのに、もう一度観たくなりました。15年ぶり、二度目の鑑賞です。

  1. 鮮やかで美しい大人のファンタジー
  2. 人間が「物語」を求め続ける意味とは

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ビッグ・フィッシュ 基本情報

原題 Big Fish
原作 小説 「ビッグフィッシュ – 父と息子のものがたり」ダニエル・ウォレス
監督 ティム・バートン
出演者 ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ
公開時期 2004年
ジャンル ファンタジー/人間ドラマ

ビッグ・フィッシュ あらすじ

ジャーナリスト・ウィル・ブルームの父親エドワードは、昔から自身の体験談を虚実織り交ぜた奇想天外なストーリーとして語るのが得意だった。ウィルとジョセフィーンの結婚式の日も、エドワードは「ウィルが生まれた日に、巨大な魚を釣った話」をして招待客を楽しませる。しかし、成長するにつれて、父親が作り話ばかり語ることを疎ましく思うようになっていたウィルは反発して、エドワードと疎遠になる。ある日「父親が倒れた」と連絡を受けて実家に戻ったウィル。だが、相変わらずなエドワードに「本当の父さんを見せてほしい」と迫るが…。

ビッグ・フィッシュ ツイッターの反応

ビッグ・フィッシュ 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

映画は、現実(父と息子の確執)と、ファンタジー(父・エドワードが語る物語)が交差しながら進みます。

エドワードが語る自身の人生は、ファンタジックな冒険譚。
奇妙な街、巨人の友達、謎めいたサーカス、おとぎ話のような恋愛…。観ていると、子供の頃寝る前に読んでもらった絵本のことを思い出しました。

でも、エドワードが語るストーリーは荒唐無稽で、現実味がありません。次第に疑問が湧いてきます。なぜエドワードは作り話を延々と続けるのだろう?どうして本当のことを話さないのだろう?…と。まさに息子・ウィルと同じ心境。美しいファンタジーを楽しみつつも、エドワードの真意がわからずモヤモヤしながら、終盤まで観続けました。

そしてラストシーンがやってきます。号泣。ああ…そうだったのか…。

病床で死が迫るエドワードは、「私の死に方の物語を教えてくれ」とウィルに頼みました。父の奇想天外な物語をあれほど嫌っていたウィルでしたが、即席でストーリーを作り、エドワードに語ります。それはとても美しい物語でした。

『朝になってすっかり病気が治った父さんは、病院の外へ出ていく』
『そこには父さんが人生で関わってきた全ての人たちが、皆笑顔で待っている』
『そして、父さんは大きな魚となって泳いでいく。それが父さんの最期だ』

あくまでも個人的な解釈ですが、この映画には人間はなぜ『物語(フィクション)』を必要とするのか?という問いへの、答えがあるように思います。

エドワードの話は荒唐無稽だけど、ユーモアと冒険と愛に満ちていました。彼の物語を聞いた少年・ウィルが、「生きるということは、このように胸躍ることがたくさんあるのか」と、人生を肯定的に考えたなら…。物語は父から息子への最高のプレゼントだったと言えます。 そして息子もまた、父の最期に『物語』を贈り、受け取ったエドワードは安らかな気持ちで旅立ちました。

人間にとって『物語』は生きる力であり、人生に不可欠なものであることを、この映画は改めて教えてくれました。

昔観た時も、ラストシーンで感動したのは覚えていますが、今回感じたようなことは、考えませんでした。やはり映画の感想は、観る年齢や状況で変わるようです。また15年後に観てみようかな…?

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本作を観て、ティム・バートン監督のファンタジーをもっとたっぷり観たいと思った方に。

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