レビュー

【七つの会議】映画の感想|やっぱり野村萬斎は凄かった。有名俳優だらけの映画でも光る存在感


七つの会議
総合評価

「七つの会議」のあらすじ、感想です。

初めて予告編を観た時に印象に残ったのは、主演の野村萬斎でした。

イメージにない服装や髪型。いかにも一筋縄ではいかなそうなクセの強いキャラ。単純に「この役の野村萬斎を、観てみたい」と思い、ずっと観る機会を探していました。

知っていたのは、企業が舞台の社会派作品ということだけ。詳しいあらすじや、他の出演者については知らない状態で鑑賞しました。

  1. 脇役もチョイ役も。豪華すぎる出演者
  2. スピーディーかつ派手な展開
  3. 主演・野村萬斎の存在感

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七つの会議 基本情報

原作 小説 「七つの会議」池井戸潤
監督 福澤克雄
出演者 野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助
公開時期 2019年
ジャンル 人間ドラマ

七つの会議 あらすじ

中堅メーカーの東京建電。営業一課に所属する社内一のぐうたら社員・八角は、自身を叱責した課長の坂戸を、パワハラで訴える。

パワハラ委員会にかけられた結果、坂戸は左遷。一課の課長には原島が就任する。

坂戸に対する厳しすぎる処分に疑問を抱いた原島は、八角が坂戸や会社に関する何らかの秘密を握っているのではないかと考え、独自に八角の周辺を調べ始める。

そこで原島が見たものは、グループ企業全体を揺るがす企業の巨大な闇だった。

七つの会議 ツイッターの反応

七つの会議 個人的な感想 ⚠︎ネタバレ有り

最初から、なんだかテンションが高い映画でした。

始まって早々、企業内の業績争い、厳しいノルマ、空気が張りつめる営業会議などの、デフォルメされた描写が盛りだくさん。

そんな中、主人公で社内一のぐうたら社員・八角(野村萬斎)は、自身を叱責した上司の坂戸(片岡愛之助)を、いきなりパワハラで訴えます。

結果、坂戸は左遷され、八角が勝利。まるでクライマックスのように盛り上がりますが、まだ映画が始まってから15分しか経っていません。

『水戸黄門』で言えば、始まってすぐに印籠を出すような展開の早さに、先を観るのが俄然楽しみになりました。

この映画でまず注目したのは、出演者の豪華さです。

誰が出ているのか知らずに観始めたので、脇役を含めて出てくる人が皆、名の知れた俳優ばかりだったことには、驚きました。

例えば、一瞬だけ映る女の子は、土屋太鳳。最後に出てきた名もないチョイ役は、役所広司。このレベルで、有名俳優がゴロゴロ出演しています。

そんな映画の中でも、個人的に観るきっかけとなった野村萬斎演じる八角の存在感は、頭ひとつ抜けていました。

クセの強い喋り方と不遜な態度が特徴の八角は、サラリーマンとしてはあまりに異質。

最初は、善人なのか悪人なのかもわからず「主人公のはずなのに…一体何者?」と、戸惑いながら観ていました。

しかし中盤、元妻と会うシーンで、八角は初めて戸惑ったような、困ったような人間らしい顔を見せます。一瞬ですが、この表情は実に印象的でした。

このシーンを端緒に、八角は次第に血の通った、喜怒哀楽ゆたかな表情を見せていき、最終的には、会社組織の闇を暴くために孤軍奮闘する男の顔になっていきます。

変人ぐうたら社員と、企業の不正に立ち向かう正義の会社員。

八角という男が持つ二つの側面を、表情や話し方で巧みに演じ分け、映画の中で徐々に変化させていった野村萬斎の芝居は、圧巻でした。

ストーリーは、企業系小説の実写化にありがちな分かりにくさもなく、2時間にきっちりまとめられています。

事件の真相や黒幕は意外だったし、どこを切り取っても豪華で”濃い”シーンばかりで、想像以上に見ごたえがありました。

聞くところによると、本作は、同じ池井戸潤原作の大ヒットドラマ『半沢直樹』に、雰囲気が似ているそうです。

確かにこのノリとスピード感を連続ドラマにしたら、かなり面白くなりそうだと感じました。

近く『半沢~』は続編が放送されるとのことで、にわかに興味が湧いてきました。前作をおさらいして、観てみようかなと思っています。

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「空飛ぶタイヤ」
池井戸潤原作。実際に起きた大手自動車会社のリコール隠しがモチーフ。個人対組織の戦いという点においては、本作以上に鮮明に描かれています。

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